2016年8月31日 / 最終更新日時 : 2021年2月14日 RYUKO MORIKAWA 大黒日記 大黒日記その4 夏を見送る 「夏」と聞いてまず私が思い起こすのは、小学生時代。 その頃、夏休みのほとんどを、母の郷里である伊万里で過ごしていた。 宿題の絵日記やドリルを鞄に詰め込んで、姉とふたり、夜行寝台で西へ。 早朝5時に博多で下車する私たちを心 […]
2016年7月26日 / 最終更新日時 : 2021年2月14日 RYUKO MORIKAWA 大黒日記 大黒日記その3 天の領分 冷房がガンガンきいた場所にいたあとは、必ず関節痛に悩まされる。だから、真夏でも七分袖は外せない。 縫い物をしようとしても、針穴に糸を通すのが最初にして最大の難関。 テレビに映る人を観て、「あ、この人知ってる。・・・でも、 […]
2016年7月7日 / 最終更新日時 : 2021年2月14日 RYUKO MORIKAWA 大黒日記 大黒日記その2 忘れ得ぬひと その頃、仕事帰りに月2回ほど、私は彼女の家に立ち寄っていた。 看板もなにも出ていない、小さな平屋。 彼女は口コミで女性のみに施術する鍼灸マッサージ師だった。 歳は私よりも五つ六つ上だったと思う。 慢性肩凝り症の私には、マ […]
2016年6月28日 / 最終更新日時 : 2021年2月14日 RYUKO MORIKAWA 大黒日記 大黒日記その1 父の毛布 もう6月も終わろうとしているのに、今年はいつまでも朝晩が肌寒い。 おかげで、一枚だけまだ毛布を片付けられずにいる。 やわらかな毛布のぬくもりの中で目覚めた朝、ふっと父を思い出す。 小さな脳梗塞の発作を重ねて、少しずつ心身 […]