良弁僧正1250年御遠忌法要

10月16日、東大寺開山良弁僧正1250年御遠忌法要に、徒弟の息子と共に出仕させて頂いた。良弁僧正は東大寺の本願である聖武天皇をささえ、東大寺の創建に深く関わられた四聖(聖武天皇、良弁、行基、菩提僊那)の一人である。初代の別當として東大寺の歴史の始点に立たれる存在だ。

良弁僧正は私にとって、はるか奈良時代の雲上人で、あまり身近な存在ではなかった。しかし、法要に参加して座坪から大仏殿を拝するうちに、改めてこの巨大寺院と大仏が身近にあることの不思議さを感じた。良弁僧正なくして今の東大寺はない。自分にとって身近でないと感じたのは、その大きすぎる存在感ゆえだったのかもしれない。

奇しくも今年は、東大寺第14代別當弘法大師空海ご誕生1250年の年である。同じ1250年のご誕生と御遠忌。東大寺の歴史を彩る二つの巨星が邂逅した。

この日は献花に小原流、献茶に武者小路千家のお家元(お手代わり)がお見えになった。ふたりとも羨ましいぐらいお若い。また参列された石山寺の鷲尾龍華座主は30代の有髪の女性で、この地位の高齢男性僧侶を見慣れた目にはとても新鮮に映った。

 

時々曇りの天候で助かったが、3時間半にわたる屋外での法要ですっかり日焼けをしてしまった。没後1250年。令和の人々の祈りは良弁さんに届いただろうか。

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