「八月七日午後七時より。場所は天平墓苑にて。」

当苑では年に一度、合同法要を執りおこないます。

納骨いただいた方々にご案内し、参加のお返事も多数いただいて、少しずつ準備を進めてまいりました。

昨年九月に開苑し、この夏が初めての法要です。

苑内をライトアップして、階段には一段ごとに灯りをともして、と寺族総出でリハーサルも行い、あとは本番を待つばかり。

しかし、なんという巡り合わせでしょうか。

二週間以上迷走中だった台風五号が、その日その時間、まさに奈良上空を通過することになろうとは。

結局、前日に急遽中止のご連絡をさしあげた次第です。

 

そして雨風の中、本堂にて寺族参列の下、法要を行いました。

天平墓苑に埋葬された方々と同じ数のロウソクを内陣に並べ、堂内の明かりを消します。

ついで、この一年に新たにご縁をいただいたおひとりおひとりのお名前を読み上げ、読経いたしました。

 

「人は昼間には、無神論者でいられる。しかし夜、ひとりになった時、その人は信仰者になる。」

たまたま今朝の新聞に、こんな言葉を見つけました。

静寂な闇に身を置くと、心の深層に潜んでいた感性が浮かび上がってくる、ということでしょう。

星を仰ぎつつ静かに亡き人を偲んでいただこう、との思いから、異例にも夜の法要を選択したのですが、このコラムを読んだ時、「それでよかったんだ」と嬉しく感じました。

残念ながら今回は中止となりましたが、秋の彼岸の頃に仕切り直しをしたいと考えております。

 

天平墓苑の自慢は、空が近いこと。

今度はきっと、月も美しく見えるでしょう。

涼やかな秋空の下、有縁のみなさまと共に祈りのひとときを。

その節には、どうぞよろしくご参集ください。