お寺にお墓をもつということ

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ある資料によりますと、創業してから30年続いている会社は、わずか0.025パーセントしかないそうです。実に10000社の中で2~3社、という驚くべき数字です。30年と言えば、創業者が現役で会社を運営している期間にあたると考えられます。「企業の寿命30年説」という言葉もあるようで、この数字は会社の存続がいかに困難かを物語るものといえましょう。

さらに数年前のデータでは、日本で200年以上続いている企業は3937社あるとのこと。2位はドイツの1850社、3位はイギリスの467社、5位はオーストリアの302社と続く中、日本の数は抜きんでています。それではお寺はどうでしょうか。そもそも目指すものが全く異なるお寺と企業とを、単純に比較することはできません。また企業は、日々生き馬の目を抜くような激烈な競争をし、ひとつの経営判断ミスが重大な結果をもたらすこともある。そんな視点から見れば、お寺の状況はなんとものんびりしたものに映るかもしれません。

ここ奈良には、飛鳥時代や奈良時代にその起源をさかのぼる寺院が多くあります。実は、歴史を誇るそんなお寺でも、”経営”の危機に直面した過去は一度ならずもっているのです。しかしその都度、周りの人々の経済的・人的支援によって支えられてきました。その理由はふたつあると、私は考えています。ひとつは、もちろんお寺が信仰の場であるということ。仏さまに祈り、仕えて、伽藍を復興することは、自らの心の復興につながると考えられていたからです。そしてもうひとつは、墓地の存在です。自分のご先祖の墓地があるお寺を、ただ荒廃していくままに座視する人々はいなかったということでしょう。こうしてみると、まさに人々の「思い」、そして「つながり」こそが、お寺を永きにわたって存続たらしめたことがわかります。

全国の中小の寺院の多くは中世以降に建立されたものですが、それでも戦乱をくぐりぬけ、数百年の歴史を刻んで今日に至っています。現在は「どこにどういうお墓をもつか」という課題がクローズアップされていますが、そんな中、寺院墓地はともすれば「煩わしそう」と敬遠されがちです。しかし、お寺がこれまで代々継承されてきた所以に目を向けた時、どうでしょう。大切なご先祖やご家族のご遺骨を託すにふさわしい、安心できる場とは——。それは、人々の「思い」に支えられ、永い歴史を刻んできたお寺ではないか。顔の見える「つながり」があるお寺ではないか。手前味噌ではありますが、私はそう考えているのです。

 

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